国の予算はどう決まる?|令和2年度予算の成立まで

2020年5月6日国の政策等

国の予算がどう決まるのか、ご存じですか?

「え、国会議員が決めてるんじゃないの?」

間違いではありませんが、それだけでは完全解答ではありません。

 

現在、国の令和2年度(2020年度)予算案が衆議院の予算委員会で審議されています。

予算案(一般会計)の総額は102兆6,580億円と、前年度当初予算との比較でプラス1兆2,000億円となっています。すごいスケールですね。

ただこれでも、財務省が昨年9月5日に発表した「令和2年度一般会計概算要求・要望額等」で見る各省庁の概算要求の総額は104兆9,998億円だった(財務省「令和2年度一般会計概算要求・要望額等」)ので、予算案になる前の編成段階で2兆円以上スケールダウンしています。

この予算案の中には、税制改正を含めた金融行政に係る経費も含まれていますので、私たち個人投資家にも無関係ではありません。

投資家にとって国の制度を理解することは、ゲームのプレイヤーがゲームのルールを知ることと同様、とても重要です。

今回は、国の予算が決まるまでを簡単に解説します!

国の予算はどう決まる?

国の予算は次の段階を経て決まります。

8月下旬:概算要求

9~12月:予算編成作業

12月下旬:予算案閣議決定

2月  :衆参両院の予算委員会で審議

3月下旬:予算案が衆参両院で可決・成立

では各段階について見ていきましょう。

概算要求

概算要求とは、各府省庁が次年度予算の大枠を財務省に対して要求することです。

概算要求に先立って、財務省が「概算要求基準」という予算編成の方針案を作成し、内閣は閣議を開いてこれを了解します。

各府省庁は「概算要求基準」に従って、次年度の事業実施にあたって必要な予算額を見積もり、概算要求書を作成します。この際に、政策や事業の継続や改廃についても検討されます。

概算要求のあとは、各府省庁から財務省に、各事業の予算についての詳細な要求書が提出されます。

予算編成作業

財務省主計局において、各府省庁から提出された予算要求書をもとに、査定が行われます。

主計局の担当者は各府省庁に対してヒアリングを行い、事業の必要性や規模、他の政策との整合性など、様々な観点から、査定を行います。

元官僚の方の著書などから伺える予算査定の様子は、膨大な資料をもとに事業の必要性を訴える各府省の担当者と、財務省の予算担当者(主計官)との理屈と意地のぶつかり合いといった具合で、なかなか面白いものがあります。

令和2年度予算の編成では、前述の通り2兆円以上がこの段階で削減されたということになりますね。

 

 

予算案閣議決定

財務省が各府省庁との喧々諤々の議論の末に作り上げた予算案は、最終的に政府内での予算案の最終調整が行われ、財務大臣が提出し閣議にかけられます。閣議決定が行われれば、晴れて政府案の完成です。

参考:財務省「令和2年度予算政府案」

予算委員会での審議

政府案は、国会内に設けられた予算委員会(委員50名)で審議されます。

予算委員会内には8つの分科会が設けられており、それぞれが異なる省庁の予算を所管しています。

予算委員会以外にも、国会に各省庁の所管等に対応して16の常任委員会が設置されていますが、全ての政策に不可欠な予算を審議する予算委員会は、最重要の委員会とみなされています。

予算自体が全ての政策に関わることから、予算委員会で扱われる事項は単に予算案についてのみならず、事実上、政治的に議論が必要な全ての事柄に及んでいます。

あまりにも何でもかんでも対象にされすぎて、国会中継などで予算委員会での議論を見た方は、「いったい何の委員会?」「そんな話ばっかりしていいんかい?」などと…

さて、そんな予算委員会での審議の流れは以下の通りです。

基本的質疑⇒一般質疑・集中審議⇒締めくくり質疑・討論⇒採決

基本的質疑は、財務大臣による予算案の説明のあとに全閣僚が出席して行われる最初の質疑です。いわば、予算案全体について、各会派が最初に質問したいことを質す場ですね。

集中審議は、一般質疑の間に総理大臣や担当閣僚が出席して行われる質疑です。こちらはNHKの国会中継で放送されるなど、注目度の高い審議です。担当閣僚が自らの所管官庁の予算について説明したり、総理自らが政治課題について答弁するなど、与野党の攻防が見られます。

締めくくり質疑と討論は、最後に聞きたい事を聞いた上で、各会派として予算案について賛否を述べる場です。それが終わると、採決が行われ、委員会としての結論ができあがります。

本会議での可決・成立

予算委員会での結論は、予算委員長によって衆議院本会議で報告されます。

本会議ではさらに各会派代表者が賛否を述べたあと、記名投票で採決が行われます。賛成多数となれば予算案が衆議院で可決されたことになります。その後、参議院でも同様の手続きを経て可決されれば、予算案が成立します。

この分野を少し勉強したことのある人なら、「衆議院の優越」が思い浮かぶかもしれません。

「予算案」「条約の承認」「首班指名」の3つについては、仮に参議院で否決された場合でも、両院協議会での合意が図られ、合意が得られない場合でも、衆議院の議決が国会の議決とみなされます。成立しないと国政に重要な影響が及ぶような議案については、手続きが滞らないようになっているんですね。

まとめ

今回のまとめです。お読みいただきありがとうございました!

またのご来訪をお待ちしております。

この記事のまとめ国の予算はこうして決まる!

・各省庁からの予算要求

・財務省と各省庁が議論して予算案が編成される

・閣議決定された予算案は政府案として国会に提出される

・国会の予算委員会で審議される

・衆参両院で可決されれば、予算案成立!

国の政策等, 財務省

Posted by fab