新社会人向け資産形成戦略⑤(終):実践編

総論

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今回がこのシリーズ最後、いよいよ実践編です。
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前回までのおさらいをどうぞ!
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おまかせあれ
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①浪費家の先輩と保険のお姉さんはスルー
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②収支を把握して、家計について考えて、先取り貯金を始める
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③毎月の黒字で生活防衛資金を確保しつつ、金融リテラシーを高める
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④卵はひとつのかごに盛るな、積立投資があるよ、複利の力を生かそう
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すばらしい。
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今回は実践編なんでしょ!早く投資のはじめ方を教えてよ。
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あわてない、あわてない。
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このシリーズ外でiDeCoとつみたてNISAの概要を話しているから、まずはそっちを見てね。
 iDeCoとつみたてNISAの概要についてはこちらから

実践編①:黒字額と相談しながら、毎月の投資額を決める。

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見てきた!どっちもやりたい。
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前向きでいいね。
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どっちもやりたいけど、毎月の黒字額が全然足りてない・・・
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その点は心配ないよ。
iDeCoの積立上限額は、月1.2万円から月6.8万円(第〇号保険者 によって変わる)。
つみたてNISAは年40万円なので、月約3.3万円。
どちらも上限いっぱいでやる場合、月4.5万円から月10.1万円の「毎月の黒字額」が必要です。
しかし、iDeCoは1,000円単位、つみたてNISAは1円単位(商品や金融機関による)で積立額を変更できるので、家計と相談しながら、無理のない金額で始めましょう。
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ということなんだ。ちなみに、毎月の黒字額はいくら?
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3万円!
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やるね。じゃあ1万円くらいまで積立投資してみようか。
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えっ それだけ?全額投資しないの?
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しないしない。預金が少ないうちは、預金残高も増やしながらいくんだ。それが大事だよ。
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さて1万円をどの制度のもとで運用するかだけど、老後に備えるなら、おすすめはiDeCoかな。所得控除もあるから、節税もあわせたコスパが最も大きい。
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60歳まで一切引き出せないのが嫌だという人や、投資の目的が住宅購入資金や教育資金など、現役時代の資金需要のためだったら、つみたてNISAをしよう。

実践編②:自分の投資家としてのタイプを把握し、守るべき投資方針を記録しておく。

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しかし1万円をコツコツなんて、じれったいなぁ。もっと全力でガンガンいきたいんだけど。
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(やっぱりそうか・・・)
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きみは、いや俺はガンガンいきたくなってしまうタイプなんだ。
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他のタイプもいるの??
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いる。絶対に損したくないタイプとかね。ま、誰だって損はしたくないんだけど、リスクすら負いたくない人もいる。
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どんなタイプにも、長所・短所があるから、何がいいとか、そういう話ではなく、
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大切なのは、自分がどんなタイプなのか、それによって「どうなってしまいがちなのか」を把握することだよ。
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ガンガンいきたくなってしまうタイプはどうなってしまいがちなの?
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はじめは積立投資から入って、じれったくなって、個別株投資をはじめ、
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複数銘柄にきちんと分散投資して成果もあがっていたのに、徐々にそれもじれったくなって、、
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すぐにじれったくなるなぁ
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投資の勉強しまくったせいか、銘柄選定に自信が出てきたりしたこともあって、、
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『億り人はみんな「これは!」と思う銘柄に集中投資したことがきっかけでブレイクスルー』みたいな記事にも触発されて、
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「俺にとっては、これがそのときだったんだな」的な発想になって、1回だけのつもりで危ない橋を渡ったら、、
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渡ったら?(聞くまでもないけど・・・
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谷底に落ちた。
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Oh‥‥
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俺自身、こういう失敗談は山ほど見てきたし、リスクも承知の上で「決算またぎ」をして損切りも遅らせてしまったから、自業自得なんだが、
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慎重に始めた投資家であっても、少しずつスタンスにずれが生じてくることはあると知ってほしい。
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意思の力とか、勉強の力を買いかぶって「自分はそうなるわけない」と思わないことです。ほんと。
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勉強になります・・・。ちなみに、絶対に損したくないタイプはどうなりがちなの??
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そもそも投資に踏み出せないか、踏み出しても少しの損失や価格変動で動揺してすぐ退場してしまう。
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ふうん。ガンガンいって谷底に落ちるよりはいい気がするけどなぁ。
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それはそうだ。反論しない。でもね、ガンガンいって谷底に落ちた豚さんにもいいところがあったんだよ。
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というと?
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個別株投資で資産がぐんぐん増えたときも、谷底に落ちた時も、ずーーっと積立投資は継続していたんだ。
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なんと・・・!
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おかげで、積み立てていた資産は無事だった。投資そのものからは退場せずに済んだんだ。
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俺にとって積立投資は、「富めるときも、貧しいときも、」続ければ少しずつ増えて、自分を慰め、助けてくれるありがたい存在だったと気づいた。
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ええ話や。結婚式みたい。それで、そのあとどうなったの?
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もちろん積立投資は続けている。個別株投資も、規模を縮小して再出発だ。今度はもう億り人なんか目指さない。
【重要】
投資を始める前の初心を必ずどこかに記録しておきましょう。
そしてときどきそれを見返して、方針を見失ったり過剰なリスクを負わないようにしましょう。
ただし、積立投資だけを継続する場合は、きちんと分散投資できる投資信託や
インデックスファンドを選んであれば、あまりリスク過多になる心配はありません。
投資は、植木鉢に水をやり、陽当たりのいいところに置いてやるようなイメージで、
少しずつ育てるように行うことをおすすめします。

実践編③:証券会社等に資料請求し、口座を開設する。

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おまちかね!いよいよ口座を開設して、積立投資を始めるよ。新社会人のみんなには(というか誰でも)、大手のネット証券がおすすめ。
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大手のネット証券ってどこ?大手のネット証券だと何がいいの?
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SBI証券と楽天証券が二大ネット証券だね。これから投資を始める人はこの二つから選べばまず間違いない。
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2択にされるとどっちがいいのか気になるんですが・・・
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どっちもいいから、どっちでもいいよ!
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うーん何を基準に決めたらいいのか教えてよ!
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いろいろあるけど、楽天スーパーポイントが欲しい人は楽天証券、そうでなければSBI証券。

 

〇楽天証券での投信積立について

楽天証券で「楽天カードクレジット決済」で投信積立をすると、

決済額の100円につき楽天スーパーポイントが1ポイント付与される。

楽天カードを持っていて、楽天スーパーポイントを貯めて使っている人にとっては、

投資信託の積み立てに関して楽天証券が一歩も二歩もリードしていると言えるでしょう。

なお、SBI証券にも「投信マイレージ」というサービスがあって、

貯まった「SBIポイント」を現金や商品にかえることができる。

しかし付与率(付与の仕組みが決済額か保有額かという違いがあるので単純比較ができないが)の面では楽天証券には及ばない印象。

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なるほど。でも未来の俺はSBI証券を利用してるんだよね。なんで?
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投資を始めた当時はSBI証券1強に近い状況だったのが大きい。
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それに、IPO投資といって、新規公開株を抽選で購入する際には、SBI証券が現在もとても強いということもある。
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個別株投資もやりたいという人にとっては、IPO投資のためだけでもSBI証券で口座を持ちたい、というくらい重要な要素なんだ。
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ふーん。業界の2トップだけあって、一長一短なんだね。でも今から始めるなら未来の俺はどっちを選ぶの?
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まず楽天経済圏に取り込まれてみてから考えるかな。そもそも、少数派かもしれないけど楽天市場すら全くというほど使ったことないんだ・・・
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いまどきそんな人いるんだね。といいつつ、当然俺もそうなわけだ。
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なので、楽天経済圏にお住まいの方は、楽天証券でいいと思います。
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どちらのネット証券を選んでも、楽天銀行なり住信SBIネット銀行なり、連携しているネットバンクの口座開設は必須です!利便性とお得感が違います。
口座開設はどちらの証券会社を選んでも、1週間程度でできるはずです。
ネット証券の場合、証券会社のサイトで入力した申込内容や個人情報が、用紙に印字されて郵送されてきます。
サイトの説明に従って入力すれば、無料で簡単に開設できますので、さっと始めてみましょう。
一連の手続きが終わるまでの間に、どんな投資信託を積み立ていくか、予習しておきましょう。

実践編④:投資信託の選びかた

投資信託にはいろいろな種類がありますが、

「株式を組み入れるかどうか」と「購入可能期間が決まっているかどうか」で大きく分かれます。

もっとも一般的なのは「株式を組み入れる(株式投資信託といいます。)」かつ

「購入期間の定めのない(いつでも購入可能。追加型といいます。)」投資信託です。

追加型でないと、そもそも毎月の積み立てができません。

なので、ここでは、追加型の株式投資信託を購入していくこととして話を進めます。

投資信託には、何に投資するか、どんな割合で投資するかによってさまざまなバリエーションがあります。

主な投資対象は「債権」「株式」「不動産」「コモディティ(先物)」などがありますが、ここでも最も一般的なのは「債権」と「株式」です。

債権は一般にローリスクローリターン。株式はミドルリスクミドルリターンのものから、ハイリスクハイリターンのものまでさまざまです。

さらに、投資対象が国内か海外かでも大きく分かれます。

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国内債券型・海外債券型・国内株式型・海外株式型、それらを色々組み合わせたバランス型があるんだ。
初めての方は、自分の中での基準がないので、何を積み立てすべきか迷うと思います。
なので、まず消去法として「これだけは避けておけば間違いない」というものをお伝えします。
避けるべき投資信託は、
①販売手数料がかかるもの 
②相対的に信託報酬が高いもの
③毎月分配型の投資信託
④テーマ型のもの です。

理由は以下の通り。

①販売手数料がかかる(=ノーロードではない)

大手のネット証券でもどれくらい扱っているのかわかりませんが、絶対に買ってはいけません。

販売手数料は、あなたのお財布から、販売会社のお財布に、ただ買ったというだけで確実に移ってしまうお金です。

これを積み立てのたびに支払うということはつまり、「穴の開いたバケツで水をくむ」ということに他なりません。

銀行の店舗の窓口にネギを背負っていくと、販売手数料のかかる投資信託をおすすめされてカモ鍋にしてもらえる可能性があります。

投資信託を選ぶときは、ネット証券で、必ず「ノーロード(販売手数料不要)」のものを選びましょう。

②相対的に信託報酬が高いもの

「相対的に」と書いたのは、競争の激化により毎年のように信託報酬の引き下げ合戦が行われているからです。

何パーセントであれば低いと言い切れない状況です。(しかしそろそろ引き下げ限界説も・・・)

信託報酬とは、投資信託の運営会社(販売ではない)が、ファンドの運営の報酬として受け取るものです。

投資家にとっては、「低ければ低いほどありがたい」ものですが、

投資信託としてちゃんと運用されることが前提なので、もう十分低くなっている信託報酬については、

限界を超えた競争で運営が立ち行かなくなるくらいなら、そろそろ引き下げ合戦が落ち着いてもいいかなという向きもあります。

とにかく「同じ投資対象で、同じような実績や規模のファンドであれば、信託報酬が高い方を選ぶ理由は何もない」のは事実です。
③毎月分配型の投資信託

これも現役世代にとって百害あって一利なし、論外です。毎月分配型とは、毎月運用で出た利益(や元本の一部(!))を分配金として配る投資信託です。

いいように思えるかもしれませんが、以下の理由から全くおすすめできません。

×複利の力が活かせない

複利の力とは、以前お話しした通り「利子を元金に組み入れて、またそれに利子がつく」を繰り返してどんどん資産増のペースが加速するというもの。

「雪だるまを大きくする」ことに例えると、「雪の玉が大きくなるほど、転がしたときに付く雪の量が増える」ことが複利の力といえます。

 毎月分配型とは、「雪だるまについた雪を剥がして、また転がす」のに似ています。これでは資産増のペースは上がりません。

×いちいち税金がかかる

毎月分配型では、分配金が出るたびに、それが運用益によるものであれば、税金がかかります。

実質的に分配金が出ないファンドは「税金の繰り延べ効果」(いつか記事にします!)があるのに対し、毎月分配金にはそれがなくて、資産形成上、非効率です。

×元本の一部を取り崩してるだけのファンドも多い

利益がでなかった毎月分配金ファンドの多くは、元本を取り崩して分配します。

雪だるまの例で言えば、「転がしても雪の玉が大きくならなかったから、削って雪を取り出した」といったところです。それじゃ意味ないですね。

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雪だるまという資産を大きくしたくて投資しているのに、本末転倒だね。
④テーマ型のもの
長期の積立投資には向きません。テーマとはつまり(多くは)流行りのものです。
つみたてNISAであれば20年後に大きな果実を得ようとしている人にとって、流行り廃りのあるテーマ型は好ましくありません。
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あー!一気に書いたら疲れたぁぁ
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しばらくしゃべってなかったね。
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ふきだしばっかりは読みにくいと思うから、そのあたりもいろいろ試してるんだ。
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なるほど、どんどんこのブログも改良していきたいね。
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新社会人のみなさんへのアドバイスはここまで!次のシリーズではもっと具体的な感じでいくよ。
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確かに。このブログを読んでもらえるような人にとっては当たり前の内容ばかりだったからね。。果たして新社会人に見てもらえただろうか・・・
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悲しいこと言わない。まだまだ見習いだから、いいの!練習、練習

このシリーズの総まとめ

 

①浪費家の先輩と保険のお姉さんはスルー
②収支を把握して、家計について考えて、先取り貯金を始める
③毎月の黒字で生活防衛資金を確保しつつ、金融リテラシーを高める
④卵はひとつのかごに盛るな、積立投資があるよ、複利の力を生かそう
⑤黒字額と相談しながら、毎月の投資額を決める。
 自分の投資家としてのタイプを把握し、守るべき投資方針を記録しておく。
 証券会社等に資料請求し、口座を開設する。
 投資信託は、ノーロード(販売手数料なし)で信託報酬が低く、
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