【歴史】昭和5年道府県別人口階級別市町村人口動態

国の政策等

国立社会保障・人口問題研究所のサイトで面白い資料を見つけたので紹介。(↑が表紙)

時の流れと社会の変化を感じて、長期投資への思いを強める狙いです(こじつけです)

資料について

資料の名前は『昭和5年 道府県別人口階級別市町村人口動態』(厚生省研究所 人口民族部)です。

作成されたのは昭和18年5月1日ですので、作成時点より少し前の統計データを編集した資料です。

表紙の裏、見返し部分には資料の概要が書かれています。(画像↓)

旧字の漢字カナ交じり文で読み辛いので、新字現代仮名遣いに直すとこんな感じです。

『本集は人口再配分計画資料の1つとして、前集に引き続き内閣統計局「昭和5年市町村別人口動態統計」に基づき、昭和5年市町村の人口動態を、道府県別人口階級別に算定したるものにして部内の参考に資するため仮印刷に附したるものなり』

(人口再配分計画とは、いわゆる大東亜共栄圏構想の中での人口問題についての計画のようです。後程もう少し調べます)

資料の内容

さっそく内容を見ていきます。昭和5年(1930年)の日本はどんな国(人口動態)だったのでしょうか。

全国

まずは全国の総括表です。

左から「人口階級」「附属市町村数」「人口」「実数」「率(千分率)」です。

注目すべき点は、昭和5年の日本には・・・

市町村数が11,865もある。(令和元年:1,724市町村)

総人口は6,445万人。(平成30年:1億2,644万人)

出生数は現在の2倍以上の208万人。(令和元年:86万人)

死亡数は人口比でかなり多い117万人。(令和元年:138万人)

人口10万人以上の市は全国に32しかない。(令和元年:約280)

市町村数は昭和の大合併(昭和31~36)、平成の大合併(平成11~22)で激減する前なのでかなり多く感じますね。今の住所表示の「○○市△△町〇番〇号」の△△町のところが1つの村や町だった時代です。

人口は今の半分なのに、出生数は2倍以上。つまり一人の母親が生む子供の数は今の4倍あったことになります。兄弟姉妹が4・5人は普通にいる時代です。

死亡数は、今より少ないですが、人口比で考えると2倍近いですね。子供の死亡率が高かったこともあり、まさに多産多死の時代だったと言えるでしょう。

北海道・東北

ここからはサクサクご紹介します。(カッコ内は最新統計)

北海道:市町村数273(179) 人口281万人(530) 十万以上の市(9)

青森県:市町村数167(40) 人口88万人(129) 十万人以上の市0(1)

岩手県:市町村数237(33) 人口98万人(125) 十万人以上の市0(2)

宮城県:市町村数203(35) 人口114万人(230) 十万人以上の市(3)

秋田県:市町村数238(25) 人口99万人(100) 十万人以上の市0(1)

山形県:市町村数228(35) 人口108万人(110) 十万人以上の市0(3)

福島県:市町村数406(59) 人口151万人(190) 十万人以上の市0(4)

北海道では函館市・札幌市・小樽市が、宮城県では仙台市が人口10万人を超えていました。

〇東北6県の人口の伸びは全国に比べて小さめです。昭和の人口急増期に多くの人が東京圏に流出したことが原因ですね。

関東・甲信越・北陸

茨城県:市町村数381(44) 人口148万人(294) 十万人以上の市0(8)

栃木県:市町村数177(25) 人口114万人(198) 十万人以上の市0(6)

群馬県:市町村数206(35) 人口117万人(198) 十万人以上の市0(5)

埼玉県:市町村数369(63) 人口146万人(738) 十万人以上の市22

千葉県:市町村数348(54) 人口147万人(631) 十万人以上の市0(16

東京:市町村数190(62) 人口549万人(1374) 十万人以上の市39市区)

神奈川県:市町村数179(33) 人口162万人(919) 十万人以上の市15

新潟県:市町村数403(30) 人口193万人(226) 十万人以上の市(3)

富山県:市町村数265(15) 人口78万人(106) 十万人以上の市0(2)

石川県:市町村数218(19) 人口76万人(115) 十万人以上の市0(3)

福井県:市町村数179(17) 人口62万人(79) 十万人以上の市0(1)

山梨県:市町村数241(27) 人口63万人(83) 十万人以上の市0(1)

長野県:市町村数386(77) 人口172万人(210) 十万人以上の市0(4)

〇やはり東京圏の人口増がすごいですね。埼玉県では昭和5年には1つもなかった人口十万人以上の市が22にまで増えています。

新潟市が当時すでに人口10万人を超えていました。現在も本州日本海側唯一の政令指定都市です。

〇東京都の都政施行は昭和18年(1943年)ですので、この当時はまだ東京府東京市がありました。

東海・近畿

岐阜県:市町村数340(42) 人口118万人(204) 十万人以上の市0(4)

静岡県:市町村数327(35) 人口180万人(373) 十万人以上の市(10)

愛知県:市町村数244(54) 人口257万人(757) 十万人以上の市1(15)

三重県:市町村数336(29) 人口116万人(182) 十万人以上の市0(6)

滋賀県:市町村数202(19) 人口69万人(142) 十万人以上の市0(5)

京都府:市町村数265(26) 人口155万人(256) 十万人以上の市1(2)

大阪府:市町村数249(43) 人口354万人(885) 十万人以上の市22

兵庫県:市町村数420(41) 人口265万人(557) 十万人以上の市1(10)

奈良県:市町村数152(39) 人口60万人(136) 十万人以上の市0(3)

和歌山県:市町村数226(30) 人口83万人(96) 十万人以上の市:(1)

愛知県・大阪府・兵庫県の人口の伸びが大きいですね。このエリアでも、大都市圏への人口集中が起こったことが分かります。

現在の政令指定都市以外では唯一、和歌山市が人口10万人を超えていました。紀州徳川家のお膝元ですね。

中国・四国

鳥取県:市町村数186(19) 人口49万人(57) 十万人以上の市:0(2)

島根県:市町村数279(19) 人口74万人(69) 十万人以上の市:0(2)

岡山県:市町村数390(27) 人口128万人(191) 十万人以上の市:1(3)

広島県:市町村数414(23) 人口169万人(284) 十万人以上の市:(6)

山口県:市町村数220(19) 人口114万人(138) 十万人以上の市:0(6)

徳島県:市町村数137(24) 人口72万人(75) 十万人以上の市:0(1)

香川県:市町村数174(17) 人口73万人(99) 十万人以上の市:0(2)

愛媛県:市町村数276(20) 人口114万人(138) 十万人以上の市:0(4)

高知県:市町村数192(34) 人口72万人(72) 十万人以上の市:0(1)

〇現在の政令指定都市以外では広島県呉市が人口10万人を超えていました。明治以来軍港として不動の地位にいました。

高知県の人口は、途中人口増加の時代を挟んで、いまちょうど90年前の人口とほぼ同じになっていますね。

九州・沖縄

福岡県:市町村数321(60) 人口253万人(513) 十万人以上の市(7)

佐賀県:市町村数132(20) 人口69万人(83) 十万人以上の市0(2)

長崎県:市町村数186(21) 人口123万人(137) 十万人以上の市(3)

熊本県:市町村数350(45) 人口135万人(178) 十万人以上の市1(2)

大分県:市町村数256(18) 人口95万人(116) 十万人以上の市0(2)

宮崎県:市町村数96(26) 人口76万人(110) 十万人以上の市0(3)

鹿児島県:市町村数143(43) 人口156万人(164) 十万人以上の市1(3)

沖縄県:市町村数58(41) 人口58万人(148) 十万人以上の市0(4)

〇福岡県の人口の伸びも大きいですが、沖縄県がすごく伸びていますね。

長崎県佐世保市も旧海軍の軍港として栄え、当時人口10万人を超えていました。広島県呉市と同じ要因ですね。

まとめ

昭和5年の人口動態を見てみたら・・・

戦前から栄えていた大都市と、かつて今以上の存在感を放った都市(函館市・小樽市・和歌山市・呉市・佐世保市など)があったことがわかった!

今後も古い資料から、日本の歴史と社会の変化を学び、人生100年時代に社会がどう変化しても対応できる経済力を身に付けるモチベーションにしたいと思います。(こじつけ)

でも、、歴史を感じる資料っていいよね!

 

 

国の政策等厚生労働省, 歴史

Posted by fab