【令和2年度は中止】国民生活基礎調査でみる所得分布

2020年5月6日国の政策等

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国民生活基礎調査という国の調査をご存じですか?

残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大により令和2年度の中止が決まった国民生活基礎調査ですが、

実はものすごく大事で、投資家としても、そうでなくても、大変注目すべき調査なのです。

国民生活基礎調査とは

同調査は、厚生労働省が所管し、都道府県等が設置する保健所・福祉事務所を通じて行われる調査で、調査結果は基幹統計(統計法という法律に規定され、国政統計・国民経済計算とその他総務大臣が指定する特に重要な統計のこと。全部で約50種類ある。)に位置付けられています。

ではその目的と調査対象・調査事項等を見ていきましょう。

調査の目的保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得ること

調査の対象及び客体調査対象:全国の世帯及び世帯員

調査客体:世帯票→無作為抽出した約6万世帯・約14万6千人

所得票→無作為抽出した約9千世帯・約2万1千人

調査対象は「知りたい対象」、調査客体は「実際に調べる対象」といったところです。

世帯票・所得票については↓をごらんください。調べる内容によって調査用紙が分かれていて、世帯票は保健所が、所得票は福祉事務所が調査を行っています。

調査の事項世帯票:単独世帯の状況、5月中の家計支出総額、世帯主との続柄、性、出生年月、配偶者の有無、医療保険の加入状況、公的年金・恩給の受給状況、公的年金の加入状況、就業状況等

所得票:前年1年間の所得の種類別金額・課税等の状況、生活意識の状況等

 

令和2年の調査は中止に…

基幹統計にも位置付けられ、厚生労働行政の基礎資料(国が社会保障施策等を検討する基礎になるデータ)である国民生活基礎調査ですが、

令和2年実施分については、新型コロナウイルス感染症への対応等の観点から中止することが同年3月30日に発表されました。(↓厚生労働省HP)

○ 現在、保健所では、新型コロナウイルス感染症対策が最優先であること。
※ 本調査は、保健所職員が統計調査員の指揮監督や対象世帯からの問い合わせ対応等を実施。

○ 本調査では、統計調査員が世帯を訪問する際、時間をかけて説明・確認を行っているが、統計調査員と
対象世帯の方との長時間の接触は好ましくないこと。

○ 結果精度の確保等の観点から、郵送調査への変更や時期の延期は困難な状況であること。中止の理由(上記の厚生労働省HPより転載)

平成30年の調査結果でみる所得分布など

残念ながら令和2年は中止となった本調査ですが、最新(平成30年実施、令和元年結果公表)の調査結果から、気になるデータを見てみましょう。

※以下、図表は全て厚生労働省HP「平成30年国民生活基礎調査の概況」に掲載の結果概要を出所とする。図表番号は同結果概要による。

次のグラフは1世帯当たりの平均所得金額の推移です。平成8年ごろをピークに長らく下落が続いていますが、児童のいる世帯と高齢者世帯についてはここ数年は所得が上昇していることがわかります。

次のグラフは、所得階級ごと世帯数の分布を表すグラフです。最も多いのは「100~200万円未満」と「200~300万円未満」の各13.7%で、中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べたときちょうど真ん中になる数値)は423万円、平均所得金額は551万6千円となっています。

全体の約40%が世帯所得100万円~400万円である一方で、約12%の世帯が世帯所得1,000万円以上です。

高所得世帯が平均を引き上げているので、62.4%の世帯が平均所得金額以下の所得です。

 

続いては、世帯主の年齢階級別の平均所得金額です。世帯全体の所得は20代から50代へと右肩上がりになっていますが、1人あたり所得は子育て世代の30代・40代が低く、中でも子供が小さく働けないなどの理由で女性の収入が一般に低くなりがちな30代は、1人あたり所得が20代を下回っています。

最後は、生活状況についての意識調査です。生活が「大変苦しい」「苦しい」と答えた世帯が全体で57.7%となっており、子供がいる世帯では62.1%が苦しいと回答しています。

先ほどのデータでは、平均所得(中央値ではない)以下の世帯が62.4%でしたので、所得が同じくらいの世帯は同じ回答をすると仮定した場合、おおむね平均所得以下の世帯は生活が苦しいと回答しているといえそうです。

まとめ

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では今回のまとめです。ちょっと調査受けてみたいですよね。国勢調査と違って抽出調査なので、対象になったらラッキーかも?

国民生活基礎調査に関するまとめ国民生活基礎調査とは…

厚生労働省が行う、国民の世帯状況や所得状況に関する重要な調査で、厚生労働行政の基礎資料になる。

 

国民生活基礎調査からわかる所得状況は…

・1世帯あたりの所得の中央値は423万円(年金生活世帯含む)、平均値は552万円

・全体の約40%が世帯所得100万円~400万円である一方で、約12%の世帯が世帯所得1,000万円以上

・約6割の世帯が生活が「苦しい」「やや苦しい」と回答

 

 

国の政策等厚生労働省, 所得

Posted by fab