都知事選はなぜ重要なのか

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東京都知事選が7月5日に行われ、現職の小池百合子氏が再選を果たしました。得票数は前々回2012年に猪瀬直樹氏が獲得した約433万票に次いで過去2番目に多い約366万票。次点の宇都宮健児氏の約84万票に大差をつけ、圧勝と言える結果でした。投票率は55%と前回より約5ポイント低下しましたが、平成以降の10回中5番目で、低くはない数字でした。

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新型コロナウイルス感染症の第2波拡大が懸念される中で行われた今回の選挙ですが、数ある選挙の中でもとりわけ重要な選挙でした。今回はその理由についてお話します。

東京都知事というポストの重要性

言うまでもなく東京都知事は非常に重要なポストです。

東京都知事が左右するお金

人口約1,400万人(総人口の約11.1%)の巨大都市東京。その行政を担う東京都庁は、一般会計予算の規模が7兆3,540億円、特別会計と公営企業会計も含めた全会計の総額は15兆4,522億円(令和2年度当初)と極めて巨大な自治体です。

つまり、東京都知事が握る予算額は15兆円を超えるということです。

あまりに巨額なのでイメージがわきませんが、例えばタイの中央政府と地方政府を合わせた予算額は約11兆円、フィリピンやマレーシアは約8兆円くらいですから、都知事はASEAN諸国の1国の首相と知事や市長全てを合わせたくらい巨大な予算の編成権を持っているということです。

国家は地方自治体と異なり、国防(軍事力)なども担っていますので、それを持たない東京都がいかに巨大な予算を有しているかがわかりますね。

ちなみに、国の省庁と比較しても都の予算規模は極めて大きく、国の12の府省のうち、東京都を上回る予算を有しているのは厚生労働省(約30兆円)・財務省(約25兆円)・総務省(約16兆円)だけです。しかし、これらのトップである大臣は、首相に任命されて初めてなれるものですから、首相(と内閣)の大方針に反した施策はできません。ある意味では行政組織の長として独立した判断ができるもっとも強い権限を有しているのは、都知事かもしれませんね。

さて、あなたの1票はお金では買えません。買えば犯罪です。しかし、もし1票あたりの予算額が1票の価値だとするのなら、東京都の予算15兆円を有権者数1,144万で割った約130万円がそれにあたります。実際の投票率は55%ですから、あなたの1票の重みは約236万円にもなります。投票に行かないのはもったいない?かもしれません。

東京都知事が左右する人(職員)

東京都知事が任命する職員の数は総計約16万8千人です。(東京都庁の知事部局に努める職員数は約2万5千人、交通・上下水道などの公営企業部門で約1万3千人、消防と警察と公立学校の教職員合わせて約13万人。)

民間企業風に言えば、連結従業員数が約16万8千人(全上場企業のトップ10に入る規模。ちなみに日本最多の連結従業員数を誇る企業はトヨタ自動車で約36万人。)のグループ本社社長が都知事みたいな感じですね。

東京都知事=東京府知事+東京市市長(広域)

東京都が成立したのは1943年(昭和18年)で、首都の行政機能を強化することを目的として旧東京府と旧東京市を統合する形で設置されました。

23の特別区が基礎自治体として身近な行政サービスを担っていますが、旧東京市域の広域行政(横浜では横浜市が担っているもの)は東京都が行っていますので、東京都知事は東京府知事と東京市市長(の半分)を合わせた権限を持っていることになります。

 

東京都知事というポストの重要性東京都知事は

・約15兆円の予算権

・約17万人の人事権

・知事+市長の役割

を併せ持つ超巨大組織のトップである

 

新型コロナウイルス感染症対策の要

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっています。対応の最前線にいるのは医療現場で戦う医療従事者であることは言うまでもありません。そして、そのすぐ後方で様々な情報を集約し、PCR検査の実施を判断したり、各種相談に対応したりしているのが保健所です。

保健所は、主に市町村に設置される保健センターとともに、地域住民の健康や衛生を支える公的機関です。政令指定都市(大阪市、横浜市など)や中核市(人口20万人以上の市のうち、県から権限の一部を移譲された60市)では市が担っています。東京では、市部では主に東京都が、区部は特別区が設置主体となって保健所を設置しています。

一般に感染症対策は広い地域で連携しつつ一斉に行う必要があることから、各都道府県が保健所・保健センターから上がってくるさまざまな情報を集約し、外出自粛要請や休業要請を行っています。

人口の多い東京都は保健所の数も多く、新型コロナウイルス感染症の膨大な情報が都知事のもとに集約されてくるため、専門家と協議しながら適宜適切な判断を行う必要があります。

また、外出自粛要請や休業要請によって影響を受ける人の数も東京都は桁違いに多いため、都知事の判断は極めて重要な意味を持ちます。

都知事選は、新型コロナウイルス感染症との戦いの最中に、最大の激戦地である東京における指揮官を選ぶ選挙だったと言えます。

もとより現職有利と言われる選挙ですが、戦いの最中に指揮官を交代させることは大きなリスクを伴いますので、小池百合子氏ならずとも再選は必至だったのではないかと思います。

とはいえ、都知事がいかに良い判断をしようとも、感染症対策で最も重要なのは各個人の感染予防であることは事実です。今後も手洗いうがいを基本に、経済を回しつつ、できる対策は必ずやっていきましょう。

 

新型コロナウイルス感染症対策の要東京都知事は、

新型コロナウイルス感染症との激戦地における指揮官である

まとめ

東京都知事選は、ただでさえ、都税の使い道(予算案)など巨大な権限を有する都知事を決める選挙ですが、今回は新型コロナウイルス感染症対策の要を担う人を決める選挙でもあったので、極めて重要な選挙でした。

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これらの点も考慮に入れて、今回投票しなかった人も、次回からは必ず投票に行きましょう。期日前投票も簡単にできますよ!

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Posted by fab