【書評】私の財産告白(本多静六)

2020年5月6日書評

当ブログを訪問いただき、ありがとうございます。

手探りで記事のパターンを開拓中の当ブログですが、今回は書評に挑戦します。

記念すべき第1冊目は、「私の財産告白」(本多静六)です。私にとって本多静六氏は「憧れの大先輩」ですので、この本を1冊目に選びました。

当ブログでも、本多静六氏への憧れを込めて、そのものズバリ「私の財産告白」という資産状況を報告する企画と、「私の家計告白」という同じく家計状況を報告する企画を始めていますが、

本家本元、本多静六氏の「私の財産告白」は、単に著者の資産の状況を述べたものではもちろんありません。

どんな内容の本なのか、そして昭和25年(1950年)に発刊された本書が、約70年の長きにわたって投資家に愛読されてきたのか、さっそく見ていきましょう。

著者紹介

「私の財産告白」の著者、本多静六氏は、東京帝国大学(現・東京大学)の教授だった方です。専門は林学。

生まれは慶応2年(1866年)。十一歳のときに父親を亡くし、苦学して東京山林学校(のちの東京大学農学部)に入学。

一度は落第しながらも、猛勉強の末に首席で卒業。さらにドイツのミュンヘン大学に留学して国家経済学博士号を取得したすごい人。

助教授となった25歳のときに、彼は人生計画を次のように定めました。

(以下引用)

「四十までは勤倹貯蓄、生活安定の基礎を築き、六十までは専心究学、七十まではお礼奉公、七十からは山紫水明の温泉郷で晴耕雨読の楽居」

(引用ここまで)

当時の男性の平均寿命は、約43歳。この人生計画がいかに長期的展望に立ったものかがわかります。

また、25歳の彼は同時に、「毎日一頁以上の文章執筆」と後に述べる「月給四分の一天引き貯金」を始めました。

そして40歳で貯金の利息が本俸、すなわち本業の給料以上になったというのです。

また彼は教職の傍ら、東京府市や省庁で顧問をしたり、開拓事業や発電事業に携わったり、大きな功績を残しました。

定年後は財産の大半を社会事業に寄附し、若い頃の簡素な生活に戻って、昭和27年(1952年)に85歳で亡くなるまで、勉学に励みながら多数の著書を残したのです。

 

いかがでしょうか。投資家ブロガーのたまごの私が「憧れの大先輩」と思う気持ちがわかっていただけたでしょう。

現代に置き換えてみると、本多静六氏はこんな人です。しょぼく見えたらごめんなさい。

「令和元年(2019年)、25歳のときに、100歳までの人生計画を立て、資産形成を始めた。

毎日のブログ更新と、月給四分の一天引き貯金を自らに課して努力を続け、40歳のときに配当等が月給を上回った。

仕事においても大いに活躍し、社会に多大な貢献をした。

定年後に財産の大半を寄附し、簡素な生活を送りつつ、西暦2104年に110歳で亡くなるまで、多数の著書を残した。

そしてその本は西暦2170年時点でも、Amazonで☆4.2の評価を維持しており、kindle unlimitedでも読める。」

最後ちょっとふざけてしまいましたが、どうでしょう。本当にすごい人ですよね。

 

内容紹介その1:金言の数々

この本は、投資家にとって金言の宝庫です。私が特に心動かされた言葉をいくつか紹介します。共感するし、しびれます。

(以下それぞれ引用)

「金というのは重宝なものだ。ところが、世の中には、往々間違った考えにとらわれて、この人生に最も大切な金を頭から否定してかかる手合いがある。」

「投資の第一条件は安全確実である。しかしながら、絶対安全をのみ期していては、いかなる投資にも、手も足も出ない。だから、絶対安全から比較的安全、というところまで歩み寄らねばならぬ。」

「貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄をつとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬ」

 

 

内容紹介その2:本多式四分の一貯金法

これも有名な貯金法ですが、現代でも同じような方法をとる兼業投資家は多いです。私もその一人。

内容は、通常収入の四分の一を天引き貯金、臨時収入は全部貯金 というシンプルなものです。

彼はまた、次のようにも述べています。(以下引用)

「給料四十円もらったら、三十円しかもらわなかったと思って十円天引きすればよろしい。」

(引用ここまで)

いや、まったくそのとおりです。給料の一部を天引きし、その分はもらわなかったと思えばよい。これは私も社会人1年目の秋から今に至るまで実行し、これからも実行する資産形成の基本です。

このように、「私の財産告白」には、当たり前のことが当たり前に、それでいて素直に受け入れてしまえるような言葉で書かれています。

私に言わせると、人生経験豊富なおじいちゃんから、日頃忘れがちな「人生における大切なこと」を教わるような、そんな本です。

 

内容紹介その3:本多式投資法

この項目は、個別株投資をする投資家にとって参考になる部分です。

といっても、テクニカルなことが書かれているわけではなく、むしろ「明治時代から変わらない投資の基本にして真髄」といった感じでしょうか。

私も個別株投資をしていますので、基本に立ち返る意味で、ときどき読み返しています。

本多式投資法とは、実にシンプルで、「二割利食い」と、「十割益半分手放し」というもの。

すなわち、二割値上がりすれば利益確定売りをし、二倍に値上がりすれば持ち株の半数を売却することで、残りをタダで手に入れた株として継続保有するというもの。

こうやって「タダで手に入れた株」も当然配当を生むので、まさに金のなる木といえるでしょうね。

私も4年ほど前に1銘柄そのような株を確保したことがありましたが、何を思ったか入用があったので売却してしまいました。後悔しかありません。とほほ

 

書評まとめ

いかがだったでしょうか。繰り返し述べた通り、この本は古い本ですが、現代に通じる資産形成の基本がぎゅっと詰まった本です。

あなたも「私の財産告白」に書かれた本多翁のありがたいお言葉を読んで、何度でも基本に立ち返って、真面目にコツコツ、資産形成を続けましょう。

最後に、投資を始めたばかりの人に、そして私のようにちょっと投資でつまづいた経験のある方に、もうひとつ金言を紹介します。

「とにかく、いたずらに成功を焦ったり、堅実を欠くに至った人たちが失敗に帰しているのである。

 だから、少しばかり金ができても、早く金持ちになろうとか、急に財産を殖やそうと焦るのは、たとえ一時の小成功を収めることはあっても、必ず最後はつまずきを招くものであるから、何人もよくよく注意しなければならない。

書評資産形成, 貯金, 本多静六

Posted by fab